2008-01-01から1年間の記事一覧

長澤真の一大絵巻を見逃すな。描き下ろし多数で贈る圧倒的迫力のフルカラーコミック「せどうか」

「なんか、知らない間に“梁山泊”だとか呼ばれてるんだけど?*1」 普段は周囲の評価などさして気にしないタカオさんが、不意につぶやきました。「ま、単にアウトロー集団って意味なんだろうけどさ。世を儚みつつルサンチマンを抱える者たちって意味では、大体…

全国の漫画マニア・SFマニアよ、涙せよ! Boichiが贈る今年最高のプレゼント「Boichi作品集HOTEL」

「小説が読めなければ、マンガを読めばいいじゃないッ!」 断頭台の露と消えそうな勢いで力強く叫ぶと、タカオさんは興奮気味にこちらを振り返りました。「我々は、仕事が忙しいとか、紹介すべき本がないとか、愚痴と言い訳ばかり繰り返してないで、前向きに…

繰り返される死と再生。そして、音楽。ライトノベル新人賞優秀賞作品「ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート」

「そういえばさ、“紅茶に浸したマドレーヌ”の味から生まれる物語、って何だっけ?」 どうでもいい疑問を前触れなく口にすると、思案げな顔をしてタカオさんはこちらを振り返りました。 「どうでもいい、ってことはないだろ……。いやまぁともかく、ふとしたき…

消えていく存在、失われていく記憶。新スタンダードな平山瑞穂版"100%の恋愛小説"「忘れないと誓ったぼくがいた」

「生き残りたい、生き残りたい、まだ生きてたく〜なる〜♪*1」 アニメを見てテンション上がり気味のタカオさんが、機嫌良く鼻唄交じりにこちらを振り返りました。 「週1回更新を目指していたはずなのに、気がつけば、もう1ヶ月経っちゃったなぁ。仕方ないか…

日本のラノベ読者よ、死を想え。謎多き作家・唐辺葉介による戦慄のデビュー作「PSYCHE」

「死は生の対極としてではなく、その一部として存在している!」 タカオさんがガッチガチの胸を張って、何かの本の受け売り*1を偉そうに語っていました。*2 「といっても、一回言ってみたかっただけで、別に深い意味は全くないんだが」 生と死の話を始めると…

狂っているのは、世界かそれとも彼女の方か。田中ロミオが挑む、初の学園ラブコメ小説「AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜」

「高校時代、同じ学年の男子に、植物と話ができるって噂のヤツが居てさぁ」 手元の文庫本を、読み終えた本で出来た山の一番上に乗せると、タカオさんは突然話を始めました。「まぁ、俺とは違うクラスだったし、直接そいつと会話したこともなかったんで、その…

ラスト3ページの衝撃!! SF史上最大のどんでん返しが貴方を待ちうける。ついに復刊したサンリオSF伝説の一冊「ハローサマー、グッドバイ」

「この世には、2種類の古本が存在する。1つは、探して入手できた古本、そしてもう1つは、いくら探しても見つからない古本だッ!」 当たり前のことなのに、さも今あらためて発見した新法則であるかのように、タカオさんが叫びました。「もっとも、ここが難…

女装する男子は好きですか? 一迅社文庫の創刊に花を添える、とびっきりの美少女(?)学園コメディ「ふたかた」

「で結局、男性読者が好きなのは、女性の身体のキャラなのか、それとも女性の姿をしたキャラなのか。一体どっちなんだろうね」 遠くを見つめて何を悩んでるのかと思いきや、唐突にお馬鹿な思考をひねり出し、タカオさんが言いました。「例えば、“女性らしさ”…

神は細部に宿る。それならば、紙の上には何が宿る? 超特濃・高密度で展開する異常作「ふおんコネクト!」第2巻

「俺たちも、日常に“?”を持たない ゆとりチルドレンから脱却するべきだ!」*1 普段は大事なことでも平気でスルーするくせに、どうでもいい事ばかり、やたらこだわる迷惑野郎なタカオさんが言いました。「わからない部分をわからないままにしておくと、いつ…

探求書との邂逅は、初恋の人との再会以上に感情を高揚させる。奇跡の復刊本「ライノクス殺人事件」

「とりあえず、買え。読まなくてもいいから、みんな買え。別に読む必要はないから、とりあえず買って積んでおけ」 興奮冷めやらぬといった体で無茶苦茶なことを言いながら、タカオさんが叫びました。「いいか、“ライノクス”だぞ。六興キャンドルミステリーズ…

あなたが待ち望んだ、秋山瑞人はここにいます。古橋秀之とのコラボ企画第一弾「龍盤七朝 DRAGONBUSTER 01」

「久しぶりの再開は、やはり久しぶりの新刊でこそヤルべきだ!」 大きく右手を振り上げて、タカオさんは力強く言いました。「とにかく、新作の出来なんかどうでもいいんだよ。生存確認ができること。それが何より最優先ではないのかね」 なんだか、そういう…

読み逃している名作、ありませんか? 貴方に読ませたい、2007年マンガ作品紹介 その5。

「前の話の続きなんだけどさ」 かしこまるわけでもなく、かといって横柄な態度をとるわけでもない、珍しく曖昧な様子でタカオさんは言いました。 「やっぱり、好きな作品を誰かに紹介するのが、いちばん難しいと思うんだよね。『スゴイ、上手い、面白い!』…

読み逃している名作、ありませんか? 貴方に読ませたい、2007年マンガ作品紹介 その4。

「だれかに『好きな本は何』って訊かれるのって、怖いよな」 ひとりごととも質問ともとれるような微妙な言葉を呟くと、タカオさんは溜め息をつきながらこちらを向きました。「ついとっさに、相手との距離を測って、その読書傾向・読書レベルを推測しながら、…

読み逃している名作、ありませんか? 貴方に読ませたい、2007年マンガ作品紹介 その3。

「いま、ちょっと思ったんだけどさ」 先日更新したweblogの内容をチェックしながら、タカオさんが呟きました。「このペースで更新し続けてたら、昨年のマンガ紹介エントリーだけで、1ヶ月は済んでしまうんじゃないのか。少なくとも、正月気分はもう終わりだ…

読み逃している名作、ありませんか? 貴方に読ませたい、2007年マンガ作品紹介 その2。

「ブレイク〜 ブレイク〜 あなたの街の〜」 タカオさんが突然、「日本ブレイク工業 社歌」を唄い始めました。「これはどうでもいい事なんだけど、よく、休憩することを『ブレイクする』って言うよな。これは、英語どおりの意味だからよくわかる。でも、他に…

読み逃している名作、ありませんか? 貴方に読ませたい、2007年マンガ作品紹介。

「やってしまって、それで事が済むものなら、早くやってしまったほうがよい*1」 新年を迎えて早々、挨拶も省略するといきなり、私の方を見てタカオさんは言いました。うん。この言葉、内容としては概ね間違ってはいないので、ここは素直に同意をしておくのが…